システムオブシステムズ研究会(第1回)報告
第1回システムオブシステムズ研究会を開催いたしましたので、ご報告いたします。SIGSoS 世話人 落水浩一郎
日時:2017年1月20日 18:30~20:30
場所:北陸先端科学技術大学院大学 東京サテライト 研修室A
東京都港区港南2-15-1 品川インターシティA棟19F
出席者(あいうえお順):
小笠原 秀人(東芝)、落水 浩一郎(UIT、世話人)、艸薙 匠(東芝)、
栗田 太郎(ソニー)、塩谷 和範(ISO/IEC SC7エキスパート)、
鈴木 正人(北陸先端大)、瀬尾 明志(日本ユニシス)、
奈良 隆正(コンサル21世紀)、堀雅和(インテック)、矢嶋 健一(JTB)
議事:
1. 会員自己紹介 18:30~18:50
2. SIGSoSの運営について 18:50~19:00
(1) 当面年4回程度の開催とする
(2) 外部/内部から講師を招聘して、事例研究を中心にSoSに関する理解を深める。外部講師の場合5000円程度の謝礼を払う。また、研究成果のサーベイも適宜実施する。IoTに関する話題もSoSとの関連で含める。
(3) 活動の成果を全員共著の本としてまとめる。
3. 講演 落水浩一郎、“システムオブシステムズとデペンダビリティ”19:00~19:50
(1) いくつかの文献のサーベイを基にして、SoSの定義と問題点、および、
デペンダビリティ・エンジニアリングプロセスを紹介した(第一回例会資料(落水))
(2) 以下の質疑がなされた
① 「システムの再利用」という言葉づかいは適切ではない。
「システムの連携」とすべきであろう。
② それぞれ異なる組織に属し、独立に進化するSoS構成要素間の調整をどのようにして実現するのか。
組織を渡る会合を設けて、ネゴシエーションや調整を行う。
③ 社会技術システムにおいて、第1層の規則に違反する第2層のプロセスやオペレータが存在する場合、どのように取り扱うのか
規則を順守することを前提としていると思われるが、今後の検討課題である。
④ SoSは還元主義のアプローチでは攻めきれないという意見が、紹介された文献に記載されているが、これについての見解を聞きたい。
文献には、全体論的アプローチ(holistic approach)をとるべきであるとの見解が示されているが、具体的にどうすればよいかについての考え方は示されていない。その是非も含めて今後の検討課題である。
4. 事例研究と意見交換 矢嶋健一、“旅行業界の事例”19:50~20:25
(1) 旅行業界の旅行販売システムがSoS的特徴をもつことが、以下の点にわたって紹介された(会員への資料配布は内容を整備の上、後日あらためてとの連絡あり)。
① 異なる組織によって管理される多くの情報システムと連携して、旅行販売システムは構築されている
② 独立して管理・進化することによって発生する不整合は、国内のシステムが対象の場合、長時間(例えば6ヵ月)にわたる交渉によって解決する。国際的なシステムの場合は、力の強いところに合わせるしかない。
③ データを中心としたシステム連携であり、APIを介して利用する。連携相手ごとにデータの維持・管理の方針が異なり、それに関する調整は大変である。 組織をわたって利用されるデータの一元管理が必要になる。
(2) 大変興味深い事例であり、SoSの特徴(問題点)とその対策を検討するのに適切な題材であるとの共通認識が参加者の間で持てたので、次回あらためて検討をすすめることになった。
5. 次回の予定 20:25~20:30
(1) 次回は3か月後を目標に、議事4の内容(旅行業界の事例)を再度検討し、SoSに関する理解を深めることとなった。
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