第2回例会議事内容

システムオブシステムズ研究会(第2回)報告

第2回システムオブシステムズ研究会を以下の報告のように開催した。

SIGSoS 世話人 落水浩一郎

日時:2017年3月17日 18:30~20:30

場所:北陸先端科学技術大学院大学 東京サテライト 研修室A

   東京都港区港南2-15-1 品川インターシティA棟19F

出席者(あいうえお順):

小笠原 秀人(東芝)、落水 浩一郎(UIT、世話人)、艸薙 匠(東芝)、

塩谷 和範(ISO/IEC SC7エキスパート)、鈴木 正人(北陸先端大)、

奈良 隆正(コンサル21世紀)、羽田裕(日本電気通信システム)、

Huyen, Phan Thi Thanh(日立)、堀雅和(インテック)、矢嶋 健一(JTB)

議事:

  1. 新規会員羽田裕(ゆたか)さん、および、

初出席会員Huyen, Phan Thi Thanhさんの自己紹介 

  • 講演:矢嶋健一氏「システムオブシステムズ~旅行業界編」18:40~20:20

前回に引き続いて、旅行販売システムの事例について、矢嶋氏から講演をいただき、それに基づいて、システムオブシステムズの特徴や問題点を検討した。

  • 旅行販売システムは旅行商品の造成・管理・販売を支援するシステムであるが、販売促進や、オーバーブッキングなど種々のトラブルへの対応は、人間系によってなされており、典型的な社会技術システムである(注:技術システム、例えばソフトウェア、だけで解決しようとすると、実現が複雑かつ困難になる問題を、組織や人間も含めたシステムとして解を構築するのが、社会技術システムの一つの特徴である。)。
    • 旅行製品の造成のため、国内外の航空会社のシステムやホテル業界のシステムとデータ連携をしている。それぞれのシステムが独自に管理されており(Organizational Independence)、システムオブシステム独自の問題点を保有している。
    • 外部システムとの連携目的は、販売用在庫の取得、委託販売、クレジット決済、予約伝達などである。なかでも海外のシステムとの連携は、カルチャーが異なるため大変である。
    • 連携先の複数のシステムと改変計画を揃えなければならず、合意形成に、困難を感じている
    • 国内での連携は、「システムの安定」を優先するが、欧米との連携では「システムの改善」が優先され、その双方を制御できる手法を必要としている
    • 旅行販売システムは、会社の業務の発展、拡大、変更にあわせて発展してきたため

アーキテクチャが必ずしも統一されておらず、また、その全容を把握している人は少ない。とくに、何が起こるかわからないので、レガシーなソフトウェアを廃棄できない状況である。また、そのシステムを管理・進化させる組織も大規模であり、それぞれの担当が自身のまわりしか見えない状況があり、問題である。しかし、何故か、うまく対応していけている。

  • システム変更による影響波及の回避あるいは対応が困難である。
    • 旅行販売システムの特徴は以下の通り。「情報(データ)を取り扱うシステムである」、「価値の有効活用およびセキュリティのためのデータの一元管理」、「さまざまなシステム間連携」、「トランザクション中心のシステム」。
  • 羽田裕氏「SS2017ワーキングの開催案内」

来たる6月8日~9日にかけて宮崎で開催される、ソフトウェアシンポジウム2017に、「システムオブシステムズと機能共鳴分析法(仮題)」を提案したい旨の紹介があり、SIGSoSとしては、全面的に協力することとした。運営方法は今後の検討課題である。 

  • SIGSoSの運営について
    • 日本電気通信システムの羽田裕氏が新しく会員となられた
    • 会員の発表についても、3000円の謝礼を払うこととした。
    • 塩谷さんより、資料「VSE(Very Small Entity)標準 導入のガイドブック」が、感想文を提出することを条件に、SIGSoS会員(出席者)に配布された。
    • 次回は5月に開催する。講師は羽田さんとし、機能共鳴手法についてご紹介頂く。

以上