システムオブシステムズ研究会(第10回)報告
報告者 落水浩一郎
第10回システムオブシステムズ研究会を下記のとおり開催したので報告する.
記
1.日時:2019年11月18日 18:30~20:40
2.場所:ソニーシティ大崎 会議室 〒141-0032 東京都品川区大崎2丁目10−1
- 出席者(順不同):日下部 茂(長崎県立大, Zoomによる参加)、艸薙匠(東芝)、栗田太郎(ソニー)、斎藤善治(IPA)、瀬尾明志(日本ユニシス)、端山毅(NTTデータ)、方(ファン) 学芬 (SRA先端技術研究所) 、矢嶋健一(JTB)、落水浩一郎(UIT,世話人),
- 議事:
18:30~20:40 「システムズエンジニアリング体験ワークショップ紹介」、端山毅氏(NTTデータ)
ワークショップの目的: 製品/サービスに対する期待や要請が高度化、複雑化し、システムを企画開発する上で検討すべき範囲が広がる状況に対して、システムズエンジニアリングがどのような考え方やアプローチを提起しているか、特に上流部分に重点を置き、事例や演習を通じて体感して頂くことを目指す。
- 狙い システムズエンジニアリングを体験する(具体的には、ビジネスレベルの困りごとを分析し解決する手法をトレーニングする)。
IPA(端山氏、斎藤氏グループ)が推奨するシステムズエンジニアリング活動
- 目的指向と全体範囲
- 多様な専門分野を統合
- 抽象化・モデル化
- 反復による発見と進化
- 必要性 環境の変化に伴う新しい状況への対応能力を養成する必要がある。たたきあげの人材の出現を待っていては間に合わない。
- 対象 経営者、IoT技術者、ソフトウェアエンジニアたちの再教育
- 事例 居酒屋チェーンのクレーム対策としてカメラを設置する。「電子お薬手帳」の例もある
- 進め方 事例によるワークショップ形式。
趣向の異なる居酒屋を5種類設定(想定されるクレームが違う)。
5チームそれぞれが異なる客層、内装、料理などを想定して演習を進める。
郷土料理が売りだったり、ステージとかスクリーンがあったり、
方言や外国語が飛び交ったり、子供が騒ぎ出すとか、
といった話で盛り上がってもらいます。
隣のチームとは違うシステムになっても、それはそれでOK.
- システムズエンジニアリングの解説 60分
- 事例によるワークショップの進め方説明 20分
- チーム編成、課題の説明、付帯条件選択 20分
- グループ演習 150分
- ビジネスあるいはミッションの分析
- 利害関係者ニーズと要求事項の定義
- システムの要求事項の定義
- 発表 20分
- 手法やツール 自然語、図、討論
- 質疑
- ねらいや対象は何か?システム分析設計手法は昔から教育されており、またそれなりのエキスパートも数多く存在するのではないか?(落水)
- IoTなど世の中の環境の急激で大きな変化に伴う新しい状況への対応能力を養成する必要がある。この分野でのたたきあげ人材の出現を待っていては間に合わない。経営者、IoT技術者、ソフトウェアエンジニアたちを対象に、ねらいは彼らの再教育である。システムズエンジニアリングの理論に裏打ちされた、ビジネスレベルの困りごとを分析し解決する手法をトレーニングする(端山、斎藤)
- 昔の教育は現場経験に基づく、パワハラによるたたき上げ教育であったが、システムズエンジニアリングの理論に裏打ちされた教育手段を整備したところが評価できる(艸薙)
- システムズエンジニアリングの理論とは何か?(落水)
- 「目的指向と全体範囲」、「多様な専門分野を統合」、「抽象化・モデル化」、「反復による発見と進化」である(端山、斎藤)
- このような教育を大学生にも実施できるか(日下部)
- 東工大で4人の学生を対象に実施した経験がある。結果はそれなりであった(端山)
- 手法やツールはどのようなものを採用しているのか?(日下部)
- 自然語による討論である(端山)
- 学生などへの教育を考えた場合、議論を誘発するような図式言語などがあった方がよいのではないか(落水)
- 手法の最初の部分と後半の部分は、日本では、契約上、SIerの担当範囲外になっていることが多い(瀬尾)
- ソフトウェアシンポジウムのワーキングで実施してみてはどうか(落水)
- 賛同する。(端山)
- 今後の予定
第11回:VSM(Viable System Model)に基づいたプロジェクト管理システムのSoSへの適用(落水)
第12回:SoSとマイクロサービス(落水予定)
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